from:おかもと 【起業家.Lab】

ある人気ラーメン店で、新入りスタッフが顧客に水を差しだしたところ、

店主が叱った。

「うちは、600円でおいしくたらふく食べてもらう店なんだから、

水はお客に自分で入れてもらうんだ!水を出すのはもっと高いお店!」

 

さて、、

一般的にみると、

「なんだこの店主は!」

「こんな店絶対流行らない!」

「いつか潰れる!」

と意見が出そうなものだが・・・

 

実は、この店主がそれを理解しているかどうかは知らないけど、、

この店主の言い分、、

実は非常に正しい。

 

もちろん、お客の前で怒鳴るようなことではないので、

そこはもっと自重しろよ・・笑

とは思いますが、、

 

このビジネスのあり方、非常に正しいのです。

どう正しいかというと、

「企業文化が業績に与える影響をよく理解している」

という点で正しい。

 

3つの戦略

そもそも、

会社の戦略にはたった3つしかない。

全ての会社においてそうだ。

あなたの会社もそうだ。

 

1.創造(イノベーション)戦略

2.効率(エフィシエンシー)戦略

3.顧客(ホスピタリティ)戦略

 

この3つしかありえない。

1はアイディアとアイディアを組み合わせて新しいものを作り出す戦略。

例えば、新しい商品を開発し続け、それの話題性によって集客するタイプ。

 

2は、さっきのラーメン屋がとっているタイプの戦略。

効率を最重視して、少しでもお客の回転数を上げ、利益を確保するタイプ。

 

3は、さっきのラーメン屋の新入りスタッフがやろうとしたタイプの戦略。

つまり、顧客サービス向上によって利益を上げるタイプ。

 

さて、さっきのラーメン屋の話に戻るけど、

その店がとってる戦略は「効率戦略」ですね。

 

創業時からメニューは変わらず、改装もなく、

狭いまま、伝統の味を出し続ける。

しかし、学生街にあるので、

学生に負担がかからぬよう、値段はとんでもなく安い。

だから、いつも行列。

 

もし、この店が「創造戦略」によって運営されていれば、

ラーメンだけに限らず、オリジナルメニューを開発し続けるのが会社の文化となり、

話題性で継続的に集客することになる。

 

顧客戦略であれば、丁寧に接客し、

顧客の顔を覚え、ポイントカードを発行し、

雨の日に忘れ物に気づけば、自分は傘をささずに顧客の元へまっしぐらに走る。

 

この3つの戦略の違いで、

全く異なるお店に変わる。

 

ホテル業界では?

こういった戦略の違いは特にホテル業界で見てみるとめちゃくちゃわかりやすい。

 

「効率戦略」をとるのは、

どこでも均一サービスを提供する「ホリデイ・イン」

 

「創造戦略」は

地元アーティストとコラボしながら、

部屋ごとに異なる内装を提供するアメリカの「ACEホテル」

 

「顧客戦略」は

超高級ホテルの「ペニンシュラ」とか、「リッツ・カールトン」とかね。

 

とても重要な話

さて、僕はさっきのラーメン屋の店主が正しいと言いました。

でもほとんどの人は「え?水出したほうがよくない?」と思うでしょう。

でも、これは「店の売り上げ」を考えるとやはり、店主が正しいのです。

 

それはなぜか、

ほとんどの人は会社方針の中に

「創造戦略」「効率戦略」「顧客戦略」

という3つの戦略を全て組み込もうとする。

これが普通だ。

 

しかし、これら3つの戦略はそれぞれが全く異なる資質を持つ。

そしてそれらすべてを同居させることができるのは実は

「創業者」のみです。

たまに例外で、めちゃくちゃ優秀な社員さんがいますが、

実際そういう人はほとんどいません。希少種です。笑

 

ほとんど全ての場合、

社長以下の社員は、

それらの3つの戦略全ての「利害関係」がひどくぶつかり合います。

それによって、会社は必ず硬直します。

 

そのタイミングで、どれかの戦略に特化した競合が現れると、

必ず顧客を奪われます。

 

だから、成功する会社というのは、すべからく、

戦略を3つのうちの1つに絞り込みます。

 

3つの戦略のうち、自社はどれに秀でているのか?

と自社の優位性を見極め、そこにフォーカスします。

 

社長に創造性があるからといって、

会社全体が創意に満ちているかというと、

それは違う。

 

会社は顧客対応に優れていたり、

効率化が得意だったりする。

 

社長の強みと、会社の強みは異なるということです。

 

もし、店主が水を出すのを許可したら・・?

もし、さっきのラーメン屋の店主が

「まぁ、水も出すか・・」と折れていたら、

おそらくその時点で効率戦略が崩れます。

なぜなら、その作業が普通になってしまうと、それだけでスタッフの時間が奪われるからです。

 

明らかにコストが上がるのです。

それでも店主はそれまで通りのスピードで回さないと、赤字になってしまうので、

回そうとします。

実際、店主自身は水を出しながらそのスピードで回すことができるでしょう。

創業時はもっと大変だったはずですから。

 

しかしそうなるとスタッフがわからすれば、

「いやいや、お客さんの接客に時間取られるからそんな無茶なスピード無理だって・・」

と硬直化します。

 

この瞬間、効率戦略も、顧客戦略も、両方崩れ去ります。

そしてその感覚というのは、お客にじかに伝わります。

お客さんは敏感ですから。

そのタイミングでもしめっちゃ顧客戦略に特化した店が現れたら・・

 

あっという間に顧客を奪われますね。

 

だから、あのラーメン屋の店主はとても正しい。

3つの戦略を全て同居させることができるのは、

社長が1人で運営しているときだけです。

もしくは、めっちゃできる社員がいる場合のみ。

 

どうあれ、それができるのは、せいぜい会社が2~3人程度の規模のときのみですね。

 

そうそう、昔、初めて「券売機」というものを導入した店があるはず。

その会社が考えたのは「創造戦略」と「効率戦略」なわけだ。

なんせ初めてだから、創造戦略が入り込む。

しかし、長い目で見ると明らかにこれは効率戦略なわけ。

 

だから、、初めて券売機を取り入れた会社は画期的ではあるけど、

結局他の競合(券売機を効率戦略のみとして特化させて扱う低価格の店)

に殺されるわけですよ。

 

会社規模で、3つの戦略を同居させるのは自殺行為。

 

あなたの会社が絞るべき戦略はどれ?

カンタンな話、どれに絞れば利益が一番上がる?

 

おかもと

P.S.そう考えると、僕は一人で仕事してるので、

実はぶっちゃけラク。

絞る必要がない。

自分自身で決められるので、

創造も、効率も、顧客も全部混合させられる。

この部分が「会社は基本的に大きくしないほうが楽」という理由の一番大きな部分。