fromおかもと 【起業家.Lab】

LINE。

この言葉を知らない人はもうあまりいない。

言わずと知れた、日本最強のスマホ用連絡アプリですね。

特にスマホユーザーでこのアプリを取得していない人はそうそういないんじゃないかと思うほど、ダウンロードされまくっているモンスター級のアプリです。

 

しかし、このラインを作った人たちってのが、実際に今現在のラインの普及率を完璧に見越していたかというと、、

目指してはいたが、見越してはいなかったらしい。

「とりあえずやってみるか」

という感じで始めたらしいのです。

 

それが今やなくてはならないアプリにまで成長したらしいのですが、、

その歴史と裏話、、

興味ありませんか?

 

いや、あるでしょう。

あるって言ってよ。

まぁ、、なくても今日はそのことについて話すつもりなのですが、、笑

 

ちなみにこのラインの普及のさせ方とかから、、

ビジネスにとって本当に大切なことがたくさん学べます。

 

まぁとっとと本題のラインの話にいきましょうか。

 

ラインができたのはいつ?

これはですね、、

もう5年以上前ですね。

2011年の6月にできています。

(僕ちょうどそのころシドニーにいたので全く知らないですが、、、いや、待て。ゴールドコーストだ。この時期は。冬のゴールドコーストに行って、廃れた観光地っぷりを見て、40件ぐらい飛び込みで就活してみたけど冬のゴールドコースとには仕事がなく、イヤになってた時期だ。笑)

 

で、最初から今みたいにガンガン伸びたアプリじゃありません。

それこそ、2011年の8月ぐらいまで(リリースから2か月ぐらい)は全く伸びなかったそうです。

 

2011年のラインの普及場所

8月ごろから、、なぜか「中東」で流行りだす。笑

サウジアラビア、カタール、UAE、エジプト、、、

製作側は特になにもしていないらしいのですが、、笑

 

その後、10月に入ってから、、一気に「東アジア」で流行りだす。笑

香港、マカオ、台湾、タイ、ベトナム、、

 

8月はなんもせずに中東で流行ったのですが、この10月は、、

スタンプと無料通話を作ったのだとか。

すると、一気に東アジアで火がついたらしい。

 

ちなみにそのころ、一日の新規ダウンロード数が、、

「60万件」笑

意味がわからん。

 

魔の数週間

東アジアで流行った直後に、、

アップルさんにより、アプリ削除対象となる。笑

いろいろ理由があったらしいですが、、

数週間は完全に「魔の数週間」となったらしい。

 

だいたい2週間ぐらいかけて、その問題点を改善して、復活したのですが、、

その時に海外から「ラインないと困る」との声が多数あったらしく、、

それで、「よし、頑張って改善しよう」となったらしい。

そのおかげで今僕らはラインを使えていると言っても過言ではない。

 

その後、またユーザー数が増えていき、まだその時点ではラインは無収入だったのですが、

そこから一気にマスサービスに入っていきました。

CMを作り始めたのもこのころ。

 

2011年はこんな感じ↓

 

line_2011

 

「俺は最初からわかってたよ」というおじさんたち

ユーザー数が1000万人を超えた年末あたりになると、

日本の電車の中とかでもけっこう頻繁に若い女性たちがラインを使うようになってきました。

すると、、そのころから

「俺は最初からラインが伸びると思ってたよ」というようなおじさんたちがライン株式会社に群がってきたらしい。笑

いつの時代にもいるもんなんですね。こういう人たち。笑

line_shitteru_ojisan

 

ラインの色はなぜミドリ??

結果論にはなるらしいのですが、ラインの色を緑にした理由は2つあるそうです。

1.人にやさしい色にしたかった

2.iPhoneに入っている「電話」「SMS」のサービスが緑だから

 

まぁ、、1はぶっちゃけ優しいなら何色でもよかったらしいのですが、、

2の理由から、緑にしたらしい。

つまり、、電話とかSMSとかと同じように、、

「デフォルトでiPhoneに入っていて、誰もが使っている」というイメージのアプリにしたかったのですね。

 

ぶっちゃけ、ここの戦術はすごいですね。

実は開発段階では、ラインの色は「紫」だったらしいのですが、、

たぶん紫だったらここまで爆発的にユーザーは増えなかったでしょうね。

結果論ですが。

 

ラインの名前は、

「人と人がつながっていく」とかそういう意味を込めてらしいですが、、これはなんとなく想像つきますね。

 

ラインの読み方(イントネーション)を使った販売戦略

正直、ラインの販売戦略で僕が一番すごいと思ったのはこの部分です。

ちなみにですが、、

あなたは「ライン」をどんなイントネーションで読んでいますか?

 

おそらく「ライン(→↑)」ではないでしょうか?

「けいおん!」みたいなイントネーションのやつね。笑

若い世代によくあるイントネーションのやつです。

 

でも、実は開発部の人たちが昔から会社内で使っているイントネーションは、

「ライン(↑↓)」なのです。

「サイン」みたいなイントネーションね。

 

これは今でも会社内ではこのイントネーションらしいんだけど、、

僕らってラインを発音するとき、

明らかに前者のイントネーションですよね。

 

ここにすごさがある。

 

実は一番最初にCMを作ったときに、最後の編集で、

「ライン」のイントネーションだけ変えたらしいのです。

開発本部のトップの独断で。笑

 

、、というのも、

たしかにライン株式会社内では、後者のイントネーション(サインみたいなやつ)を使ってるし、それが元々の発音だし、海外ではその発音が正しいのでしょうが、、

「日本国内」においては前者のイントネーション(けいおん!みたいなやつ)でCMを作ったのです。

なぜか、、

 

「若い子たちに使ってほしい」という考えから、、

その当時、本当にラインを使っている子たちの言葉をそのまま使うことにしたのです。

 

つまりね、、「予測」ではなく、実際に使っている人の言葉をそのまま使うことにした。

ということです。

 

この世のほとんどの会社の商品はこれができてるようでできていない。

「お客の声」と「お客の目線」

をはき違えている。

 

お客の声ってのは、ウソである場合が多いけど、お客目線ってのは行動に現れるため、ここにウソはない。

だから、、このラインの使った戦略。

非常に素晴らしいものだなと個人的に思います。

お客が実際に使っているイントネーションをそのまま使うことで、より広く深く認知してもらえるようになったわけです。

 

line_accent

 

ラインのターゲットとは??

ファーストターゲットは「おしゃべり好きな人」らしい。

実はこの時点で、専門家からすれば、「非常識」なのです。

 

この手のハイテクなツール系アプリというのは「イノベーター」とか「アーリーアダプター」となるようないわゆる

「ギークな人」ってのがターゲット選定として望ましいと言われます。

なぜなら、そういったいち早く使ってくれそうな人が使うことでアプリ自体も進化するし、広まるのも速くなるから。

 

でも、あえて、ラインはそういった人をターゲットにはしませんでした。

「誰でも日常的に使える」というコンセプトを初めから持っていたそうです。

 

なぜか、、というと、

開発段階で、「これからスマホが普及する」ということを予測していたからです。

となると、、当然、

「これからはスマホでコミュニケーションをとる人が激増する」という予測をします。

 

じゃあ、、ギークな人よりも、むしろ「おしゃべり好きな人」からこのコミュニケーションツールは普及していくことになるな。

という予測をしたそうです。

 

特に、若い人や、女子校生たちをターゲットにしたそうです。

だって、メールが大流行した時代も、そういった人たちから流行ったわけだから。

 

すると、、この予測が見事に大当たりすることになる。

 

女性向けとはあえて言わない

実はターゲット選定として、「女性向け」を意識していたらしいのですが、

それはあえて公言しなかったそうです。

これも非常識。

 

普通はむしろ公言したほうが売れるのですが、、

ここもラインのすごいとこです。

 

そもそも、このアプリをデフォルトにするという高い目標を持っていたため、

あえて公言せずに誰もが使えるものにしたかったのです。

さらに言えば、「女性向け」と公言することで、逆に女性が使わなくなるという可能性も考慮したそうです。

たしかに、明らかに女性向けの化粧品とかはそれに特化すべきですが、こういった誰もが使えるコミュニケーションツールを女性限定にしてしまうと、、逆に使われなくなります。

なぜなら、それを使っている自分を他人からどのように見られるかという部分を全ての人が一番気にするからです。

 

だったら、誰もが普通に使ってるものというところを目指したほうがいいのでは?ということですね。

 

あと、もう一つ。

女性向けと言ってしまうと、男性も使えますって後から軌道修正するのが超大変だからです。笑

 

リアルな知り合いとの雑談の場

これもかなり重要な考え方。

例えばフェイスブックとかツイッターとかって、

リアルな知り合いじゃなくても知り合えるじゃないですか。

でも、ラインはそうはいかない。

 

電話番号とのマッチングしかできないようになっているのです。

これは、、

「リアルな知り合いとのどうでもいい雑談の場」を作りたかったからという目的があったからだそうです。

 

なんでこういう限定をしたかというと、、

「知り合いじゃない人」と喋る熱量と、

「知り合い」と喋る熱量では、、

明らかに後者のほうが強いのです。

 

だったら、そういう風に限定してしまえば、もっとライン使ってもらえるよね。

という考えからだそう。

すげー。笑

 

line_matching

 

ラインスタンプは偶然の産物

実はラインスタンプなんて作るつもりはなかったらしい。笑

あるときにデザイナーが顔文字をちょっと大きくしてみたら、それがけっこうおもしろかったらしく、、

「どうする?作る?」みたいな流れになったらしい。

 

でも実際アンケートとっても、そこまで評判はよくなかったのだけど、、

ここでも製作側の天才っぷりが発揮される。

 

彼らが考えたのは、、そういったアンケート結果ではなく、、

「このラインスタンプかわいい」とか、「これはきもい 笑」とか

そういった「その場の盛り上がり」を重要視してスタンプを作ったらしい。

 

なぜなら、

「盛り上がり」「ノリ」

はコミュニケーションにおいて、最重要だからです。

 

実際、作られた初期のラインスタンプ、、きもいのめっちゃあるじゃないですか。

でも、、それによって、ユーザーは盛り上がるわけですよ。

「なにこのスタンプきもい」って。笑

 

ツッコミいれたくなるじゃないですか。

ツッコミを入れたくなる=話したくなる

というコミュニケーションの方式があります。

だから、、このスタンプを採用したらしい。

すげー。笑

 

で、その盛り上がりから結果的にユーザー数も増えて、利用時間も増える。

これが実は偶然から生まれたものなんてみんな考えもしないんですよね。笑

 

line_stamp_kaiwa

 

line_stamp_trend

 

ラインによって広がるゲーム人口

ラインで、ゲームの情報を送ったりするじゃないですか。

で、競い合ったりもする。

これがもし知り合いじゃないやつからきたら、なんやねん。ってなるけど、、

知り合いなので、「まぁヒマだしやってみるか」となったり、、

「あ、久しぶり。元気」となったり、、

 

コミュニケーションが増えるのですよ。

それと並行して、日本のゲーム人口が莫大に増えていく。

ちなみにディズニーとコラボした

「ツムツム」はえげつないですよ。

 

今までいろんなゲームがあったし、ぶっちゃけ日本はゲーム大国なんですよ。

例えば、任天堂とか、スクエア・エニックスとか、、

世界でも売れてるゲームめっちゃ作ってますけど、、

 

それでも、日本のゲーム史上もっともユーザー数が多いのは

「ディズニーツムツム」ですからね。笑

 

月間のアクティブユーザー数が1300万人て、、

えぐすぎる。

これがディズニーとラインの最強のコラボ。

line_linegame

2016年2月時点

 

ライン株式会社から最も学ぶべき2つのこと

1.サービスは人を中心に考える

2.速くリリースし、変更する

 

この2つのことだけを意識した結果、ラインは日本になくてはならないコミュニケーションツールになったと考えられます。

 

1のサービスは人を中心に、、はどういったことを具体的にやったかというと、、

これはスマホのアプリの作り方に重点を置いているみたいですが、、

基本的に「多機能であればいいのではなく、最小最短の機能」にすることを心がけているそうです。

 

そうしないと、ユーザーは混乱しちゃうから。

1の機能をつけたものをリリースして、2の機能が欲しくなったら、次はアップデート用に作っていく。

という風にアプリを作っていくらしいのです。

 

人は慣れたものを使いやすい傾向にあるので、まずは1つの機能で慣れさせるのです。

そしてそこから機能を増やしていく。

ただし、慣れだけを使うと飽きるので、そこを改善するために様々なことを考えるのですが、、

 

その時に重要なのが、「人を中心に考える」ということなのです。

どういうことか、、

つまり、さっきも言ったように「ユーザーが使っているイントネーションで発表」してみたり、、

「盛り上がりを重要視して、コミュニケーションには全く無意味なスタンプ」を作ってみたり、、

こういったことです。

 

「商品中心思考」では絶対にこのレベルのアイディアは思いつきません。

このポイントがまずラインから学べることの一つ目です。

 

 

で、もう一つは、

ビジネスの基本ですが、

「速くリリースし、変更する」です。

ラインを最初にリリースしたときもそうですし、スタンプとかにしてもそう、CMとかもそう。

「とりあえずリリースしてから考えよう」

というスタンスで仕事をしているようです。

 

一見「博打」のように思えますが、

これがビジネスでは一番手っ取り早く成功する方法です。

もちろん、「なにも考えないでやる」ってのは博打です。

そんなことを言ってるのではなく、、

 

「考えるだけは考えたけど、もうリリースしないと、結局机上の空論で終わっちゃうからはよ出して、結果を見よう」

という意味で、素早くリリースするんです。

結局どれだけ予測を立てても、お客さんは他人なわけですから、自分たちでは本当の結果はわからないのですよ。

 

じゃ、素早く作って、素早くリリースして、結果が分かったら、

素早く改善すればいいよね!というスタンスです。

これこそが最も成功率の高いビジネスのやり方なわけですよ。

 

ほとんどの人は最初から100点を目指して、完璧なものを作って、完璧に売ろうとします。

そのために莫大な時間と費用がかかります。

でも、実際そのようなものも売ってみると、基本的にはお客さんからすれば完璧ではありません。

 

製作側から見れば100点でも、お客さんから見たら75点ぐらいというのが普通です。

じゃ、、素早く70点のものを出して、結果見れば、改善点がわかるからすぐに80点、90点ぐらいは取れるよね。

っていうスタンスです。

 

たしかに「100点」というのは全ての人が目指すべきゴールです。

でも、、最初から100点を取れることはまず間違いなくビジネスの世界ではありえません。

なぜなら、学生時代のテストと違って「答え」が存在しないからです。

 

答えがないけど、100点を目指すには、常にスピード重視で、改善を繰り返すしか方法がないのです。

 

ビジネスの本質

「理想のビジネスとはいったいなにか?」

と問われるとほとんどの人は「お客さんに最高の価値を届けているビジネス」と言いますが、

そのほとんどの人がやっていることはそれとは正反対のことです。

最初から100点を目指すってのは無理ですし、、

そもそもビジネスに100点は存在しません。

 

100点のビジネスが存在する場合、

この世の他のすべてのビジネスは淘汰されますから。

 

一生かけても100点には絶対に到達しないのがビジネスです。

にもかかわらず、100点を目指し続けるのがビジネスです。

そして100点を目指し続けないと、衰退するのがビジネスです。

 

だから、素早く売って、素早く結果を出して、素早く改善するビジネスがこの世で一番栄えやすいのです。

 

それをちゃんと行っているからラインはここまで急成長したのですよ。

というお話でした。

ちなみにラインの2015年の業績は、、

line_revenue2015

えぐい。笑

2011年の10月ごろまではまったくの無料アプリだった会社が、、笑

これが、「とりあえず売って素早く改善をし続けた」会社の成功事例ですよ。

 

おかもと

P.S.僕がシドニーから帰ってスマホ買ったときは2012年の2月ごろなのですが、、

そのときには友達からすぐに「ライン入れたほうがいいよ」と言われたので、そのころには日本で広く浸透し始めていましたね。すげー。